ここ最近僕は非常に落ち込んでいました。理由は将来への不安であったり年齢を重ねることへの恐怖であったり、意味の見出せない人生への絶望だったりと様々ですが、とにかく行き場のない苦しみに苛まれていたのです。
そして縊鬼にでも憑かれたような希死念慮を抱いたとき、僕はこう考えました。

そうだ、女装をしよう
いや、頭がどうにかなった訳ではありません。
ただ今の僕は年齢のわりに人生経験が乏しく、死後のリザルト評価はEランク間違いなしだと思ったのです。ならば今のうちに、興味のあることをしてみようじゃありませんか。
やりたいことやったもん勝ち。松井五郎さんだってそう言うはずです。
すべての男の子が持つ(?)、「可愛い女の子になりたい」という願いを叶えることにしました。



ということで今回は、30歳メンヘラおじさんが女装サロンで初女装をしてきた様子をご覧ください



【画像あり】とある項目にはそれぞれ写真を載せているので、文章を読むのが苦手な方はそれだけでも見ていってください。可愛くなった僕を
前準備
女装するとは決めたものの、自分でできるような技術も知識も僕にはありません。しかし世の中には、何にだってプロがいるものです。
色々調べてみた結果、女装サロンRAARというお店に頼むことにしました。所在地は新宿なので僕の家からは遠く、人混みも予想されますが、Instagramのギャラリーがどれもクオリティが高かったためです。



終わったあとは、僕の写真もインスタに掲載していただきました!
そうと決まれば善は急げと、衣装の貸し出しやフルメイク、そして撮影をしてもらえる「こだわり撮影コース」で予約を入れました。かなり緊張してきましたが、もう逃げられません。
事前になりたいイメージを決めたり体毛の処理をしたり、甘いものを控えるなどして当日に備えます。



僕はこのためだけに眼科へ行ってコンタクトを買いました



デート前の乙女みたいね
満を持して訪問
当日は片道1時間以上かけて新宿に向かいます。最高気温30℃超えの真夏日だったので、靴には消臭パウダーをたんまりと入れておきました。
慣れない人混みとコンタクト、夏の暑さに打ちひしがれながらもなんとかRAARさんに辿りつき、予定時刻ぴったりにチャイムを押します。
迎え入れてもらうと待機用の椅子に促され、簡単なアンケートを渡されました。何系(ゴスロリや地雷系、ナチュラル系など)に興味があるかを選んだり、女の子ネームを記載する欄があります。



僕はハンドルネームをもじり、「毒島みつき」と名乗ることにします
アンケートを提出すると着たい衣装を聞かれました。ここで時間をかけるのは勿体ないので、事前にHPの衣装一覧から選んでおきましょう。
【画像あり】プロの手による大変身
多少の相談をしつつ衣装が決まると、お着替えタイムです。当然メイク前に着替えるので一時的にきつい絵面になりますが、ここは我慢のとき。
着替えが終わると、お待ちかねのメイクのお時間です。始める前にどういった感じになりたいかを聞かれるので、考えておきましょう。



僕は「オカルトやミステリアスなものが好きな女の子」をコンセプトにしたかったので、ゴスっぽい感じになるようお願いしました
アンケートでゴスロリを希望したからかタイミングよく手が空いたからかは不明ですが、担当してくださったスタッフさんはゴスロリ好きとのことでしたので期待ができます。
メイクはスタッフさんが頑張ってくれるからとお気楽に考えていましたが、少し上を向いた状態で長時間顔をトントンされるので結構首が痛みます。それに目元のメイクの際は目を開けて上を見ていなくてはいけなかったのですが、コンタクトがズレそうな違和感にひやひやしていました。されるだけでも疲れるのだから、メイクをするのってかなり大変なんでしょうね。
僕は残念ながら残念な容姿をしているのですが、メイク中スタッフの方が「華奢だからなんでも似合っちゃいますね」「肌が綺麗ですね」「顔ちっちゃい」などおだててくれるので、お世辞と分かりつつもすっかりその気にさせられていました。



そう言うお姉さんこそ、顔のサイズどくみさんの2/3くらいだったけどね
超小顔のスタッフさんの気合の入ったメイクを施されたあとは、スタッフさんチョイスのウィッグとヘッドドレスを装着して完成!本格的な撮影の前に、その場で何枚か撮影してくださいました。



ワンダーチェンジ!デ〇レーション!


これが、僕……??
プロの技術ってすごい……。
完成時は変わりすぎて思わず笑ってしまいました。
陰の気が服を着ているとしか表現のしようがなかった30歳メンヘラ男性が、ゴスロリっ娘へと大変貌を遂げています。あまり好きではなかったタレ目も、強調されることで見事に生かされていました。
しかし本番はここから、お次はスタジオでの撮影タイムです。
【画像あり】お待ちかねのスタジオ撮影
メイクはビルの6Fでしてもらったのですが、撮影スタジオは7Fにあるようでした。同じビル内とはいえ、この恰好で外に出るのは少し緊張します。
しかしそれ以上に緊張することがありました。下を向けないのです。
顔にはメイクが施されているうえに不慣れなウィッグをしているので、下を向くなどのちょっとした動きで髪が顔にへばりついてしまいます。普段いかに首を動かして周囲をみているかを思い知りました。



頭にコップでも載せているような気分で、慎重に動きます
7Fにはテーマの分かれたスタジオが3ブースありました。僕が撮影してもらったのは、星空のような側とネオン調の側のある一度に二度おいしいスタジオ。
ポーズ指導を受けながら、大量の写真を撮ってもらいました。
撮影中はスタッフの方が、「可愛い」と言い続けてくれていました。もはやお世辞というより暗示に近いものも感じましたが、単純なもので聞き続けると嬉しくなってきます。



そんな「可愛い」どくみさんがこちら











これ……超たのしいです……!
プロの技術恐るべし。メイクだけじゃなく撮影までこなせるのだから大したものです。
ちなみにスタッフさんによる撮影の後には少しだけ自撮りタイムがあるのですが、そっちはイマイチ盛れませんでした。普段自撮りなんてしませんもの。



そういえばどくみさん、撮影中に星型のライトぶっ倒してたよね



その節は誠に申し訳ございませんでした
【画像あり】体験終了とレタッチ
そんなこんなで2時間におよぶ女装体験は終了。貴重な経験になりました。
メイクを落とすのは名残惜しかったですが、流石にメイク顔と私服を合わせて帰れるほど豪胆ではないので渋々落としていきました。
メイクを落としてウィッグを外すと、当然再びゴス衣装の成人男性が現れたのですが、不思議とメイク前ほどの拒否感はありませんでした。脳のスイッチが切り替わったのでしょうか。
着替えたあとはお会計とLINEの登録を済ませて退店。写真が送られてくるのを待ちます。



ちなみに支払いは現金とクレジットカード、QRコード決済が可能なようですが、クレカだと(QRコードも?)手数料が5%かかるみたいでした。
現金か杜撰な金銭感覚をもって行くといいでしょう
しばらく待っていると、撮っていただいた画像が送られてきました。そしてさらに時間をおくと、レタッチをした画像も貰うことができました。どうやらSNSへの掲載を許可した場合には、レタッチ画像を1枚サービスしていただけるようです。



それがこちら





どう見てもモデルさんです。本当にありがとうございました。
おわりに
前から女装に興味はあったものの(性的違和とかではない)、正直似合わないだろうと思って今まで試さなかったのが勿体ないくらい楽しかったです。
正直もっと若ければより似合ってたんじゃないかと思わないでもないですが、今後の人生今がいちばん若いので言ってもしょうがないですね。
それに担当してくださったスタッフさんの口ぶりからして30代は結構若い方みたいなので、あまり気にしなくてもよさそうです。皆さんもぜひ、新たな扉を開いてみてください。
一生に一度経験すればいいやと思って足を運びましたが、最高だったので僕もまた近いうちに可愛く変身しに行きたいとおもいます。



次はもっとゴス感を増してもらうか……それとも別ジャンルに挑戦してみるべきか……。
地雷系もいいな……ナチュラル系もいいな……いっそコスプレとか……JKは流石にきびしいか?でもやるなら早いほうが……(ぶつぶつ)



(しかし今回オカルト要素全くなかったね……)
それではまた。
※本記事での内容は、2025年6月28日に体験したものです。変更などあるかもしれませんので、ご了承ください。
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